私達は机の落書きから始まった。
 
 
名残惜しそうに離れる唇。
 
 
ずるいよ…
 
 
私が弱いのを知ってるから。
 
 
遼平は追い討ちをかけるように、
 
 
「ねぇ、何を悩んでるの?」
 
 
耳元で遼平の息がかかる。
 
 
言いそうになってしまう。
 
 
遼平が好きだと…
 
 
でも、自分の口元を塞いだ。
 
 
「言えない!
次の講義、始まっちゃうから…
またね!」
 
 
遼平から逃げるように、教室から飛び出した。
 
 
これ以上、一緒にいると遼平に負かされてしまいそうで。
 
 
 
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