私達は机の落書きから始まった。
移動中、彰の手が不意に私の頭に触れた。
あまりに急で、身体がビクッと反応してしまう。
彰は表情を変えずに、
「顔が赤いけど…何かあったのか?」
子供をあやすかのように、優しく撫でる。
「あはは。
彰ってば、お父さんみたい。
…何もないよ。」
顔が赤いのは、きっと遼平のせい。
私の答えを聞いて、安心したように、笑う。
彰に隠れファンが沢山いるのは、こういう優しさなんだろうな。