私達は机の落書きから始まった。
 
 
遼平だ。
 
 
「菜々ちゃん、見っけ!」
 
 
そう言って、私を甘い香りで包み込む。
 
 
私の頭を撫でて、そのまま、髪を右耳にかける。
 
 
「切ったんだね。」
 
 
「うん。」
 
 
目を少し細める遼平。
 
 
何故か見透かされてるみたいで…
 
 
「……遼平の好きなタイプは長い子だったよね?」
 
 
「ん?    うん。」
 
 
そうだよね……
 
 
少しショックを受けていると、
 
 
「でも、それは今まで。
 
今は、短い子かな。
 
このくらいの…」
 
 
そう言って、私の髪に優しく触れる。
 
 
まるで、壊れ物に触れるように、優しく……
 
 
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