私達は机の落書きから始まった。
 
 
「……」
 
 
「……」
 
 
たまに会話が途切れる。
 
 
この沈黙も割と嫌いじゃない。
 
 
「…菜々ちゃん…」
 
 
「ん?」
 
 
「もう1人で泣いてない?」
 
 
ドキッとした。
 
 
あれから、少し涙脆くなっていた。
 
 
もちろん、人前で泣くなんてヘマはしていない。
 
 
でも、1人でいる時や、いつもの時間になると自然と思い出してしまう。
 
 
無意識に涙が出ている事がある。
 
 
でも…
 
 
「…泣いてないよ。」
 
 
素直に言えるわけない。
 
 
言う必要もない。
 
 
だって、私達はそんなに深い仲じゃないでしょ?
 

< 33 / 400 >

この作品をシェア

pagetop