私達は机の落書きから始まった。
 
 
私と彰の前まで来ると、私を引き上げて、抱き締めた。
 
 
状況が掴めないでいる私を無視して、遼平が強く抱き締める。
 
 
それから…
 
 
「彰さんには悪いけど……
菜々は俺のだから。
 
手ぇ出さないで下さいね。」
 
 
 
 
 
………
 
 
ん?
 
 
今、サラッと何かが聞こえたような…
 
 
見上げると、いつもの憎めない笑顔で彰の方を見ている。
 
 
彰は、無表情のまま
 
 
「だったら、泣かせんな。」
 
 
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