私達は机の落書きから始まった。
 
 
彰をジッと見ると、深い溜め息を吐いた。
 
 
「あんたも馬鹿だよな。」
 
 
と、大きな手を頭にポンッと乗せた。
 
 
彰の慰め方だ。
 
 
「あはは。
 
そうかもしれない。
 
ちょっと、用事思い出した。
やっくんに適当に理由言っといて。」
 
 
用事なんてない。
 
 
ただ、その場から離れたかった。
 
 
そこにいたら、みっともない事をしでかしそうで。
 
 
泣き虫な私だから、泣いてしまう。
 
 
こんな、沢山の人がいるとこで泣くなんてダメだ。
 
 
彰を置いて、私は走り出した。
 
 
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