私達は机の落書きから始まった。
 
 
今更、教室に戻る気にもなれない。
 
 
仕方なく遼平の横に寝転んだ。
 
 
視界いっぱいに青い空が広がった。
 
 
こんな風に空を見上げたのは、本当に久しぶりかもしれない。
 
 
こんなにも澄みきった空を見てなかったなんて、勿体無いなんて思った。
 
 
「ね、綺麗だろ?
 
俺、空って好きなんだよね。」
 
 
「うん。綺麗だね…」
 
 
先生の声も、生徒の雑談も、
何も聞こえない。
 
 
静かで…
 
 
心地良かった。
 
 
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