私達は机の落書きから始まった。
 
 
ずっと、ずっと聞きたかった事。
 
 
遼平が好きだって言ってくれた時から…
 
 
でも、怖くて聞けなかった。
 
 
怖くて聞きたくなかった。
 
 
本当に……私でいいの?
 
 
舞ちゃんじゃなくて……私で?
 
 
今でも怖いの。
 
 
本当は聞きたくないの。
 
 
どんな形でも、傍にいたいから。
 
 
ずるい女だって思われてもいい。
 
 
それでも、近くにいたいんだ。
 
 
遼平が目の前まで来ると、おデコをピンッとデコピンして
 
 
「菜々ちゃんは馬鹿だね。」
 
 
フワッと甘い香りに包まれる。
 
 
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