私達は机の落書きから始まった。
 
 
「てか、本当にこれだけのために、あんなメールしたの?」
 
 
「うん。
最近、菜々ちゃんに会えないなぁって思ったら、会いたくなって。」
 
 
遼平は、平気な顔でこういう事をサラッと言う。
 
 
遼平って子を知って、少ししか経ってないけど、
 
 
なんとなく、モテる理由が、わかる気がする。
 
 
外見は、不本意だけど、カッコいい。
 
 
それに加えて、性格も人懐こくて、言葉に嫌味がなく、言われたら嬉しい事をサラッと言う。
 
 
ね、モテないわけないでしょ。
 
 
実際のところ、モテてるのかわからないけど…
 
 
優里が知ってたくらいだから、きっと…
 
 
「なんで来てくんないの?」
 
 
「ん~、球技大会の練習してるからさ」
 
 
「練習?えらくね?
まぁ、俺も昼休みはバスケしてるけど」
 
 
「遼平もしてんじゃん。(笑)」
 
 
「だって、菜々ちゃんに見られるから、カッコ悪いとこ見せたくないからさ。」
 
 
ほらね。
 
 
またそんな事言って…
 
 
って、ちょっと喜んでる自分に気付く。
 
 
…ちょっとだけね。
 
 
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