私達は机の落書きから始まった。
 
 
ピーーッ
 
 
笛の音と共に試合が始まる。
 
 
体育館が更に騒がしくなる。
 
 
私達の3年5組は、あっさり負けてしまった。
 
 
「あっさりだったね。」
 
 
「ま、仕方ないよ。」
 
 
練習が一週間弱じゃ、負けたって仕方ない。
 
 
やるだけの事はしたから、悔いはなかった。
 
 
そして、不意に聞こえてしまった。
 
 
声援に混ざる、聞き覚えのある名前を…
 
 
「猛~!がんばって~!」
 
 
見つけてしまった。
 
 
あれは、いつも猛の横にいる、内藤愛美。
 
 
小さくて、可愛い感じで、いかにも女の子って雰囲気の子。
 
 
猛の新しい彼女だ。
 
 
そして、彼女の目線の先には…
 
 
猛がいた。
 
 
< 42 / 400 >

この作品をシェア

pagetop