私達は机の落書きから始まった。
ピーーッ
笛の音と共に試合が始まる。
体育館が更に騒がしくなる。
私達の3年5組は、あっさり負けてしまった。
「あっさりだったね。」
「ま、仕方ないよ。」
練習が一週間弱じゃ、負けたって仕方ない。
やるだけの事はしたから、悔いはなかった。
そして、不意に聞こえてしまった。
声援に混ざる、聞き覚えのある名前を…
「猛~!がんばって~!」
見つけてしまった。
あれは、いつも猛の横にいる、内藤愛美。
小さくて、可愛い感じで、いかにも女の子って雰囲気の子。
猛の新しい彼女だ。
そして、彼女の目線の先には…
猛がいた。