私達は机の落書きから始まった。
「ち、違うっ。」
違わない。
泣きたくなんてないけど、勝手に涙が出るんだ。
泣きたくないのに…
俯く私の頭をぽんッと優しく撫でた。
「俺だけを見てて。
次の試合、あのチームと対戦だから。
俺、ぜってー勝つから。
だから、俺だけ見てて。」
そう言って、あの憎めない笑顔を向ける。
うん。以外言わせないという笑顔で…
いつの間にか流れていた涙をすくってくれた。
人目があるのに…
なんて思ったのは、最初だけ。
今は、遼平に感謝していた。