私達は机の落書きから始まった。
 
 
「菜々ちゃん……
 
大丈夫?怖かったろ?」
 
 
心配そうに私を見る遼平は、さっきまでの強気な遼平ではない。
 
 
いつもは、やたらくっついてくるのに、今は距離を取っていた。
 
 
「…大丈夫。
遼平が来てくれたから…」
 
 
「何もされてない?」
 
 
「うん。」
 
 
本気で心配してくれている。
 
 
「菜々ちゃん、
俺、怖くない?」
 
 
あ…
だから、距離を取ってくれてたんだ。
 
 
私が怖がると思って…
 
 
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