私達は机の落書きから始まった。
 
 
いつも爽やかなのに強気で 強引で 俺様なのに、たまに見せる遼平の優しさや弱さに惹かれてしまう。
 
 
遼平の手を握って
 
 
「怖くない。
 
遼平は…怖くないよ。」
 
 
怖いはずがない。
 
 
初めて会った時から、怖いなんて思ったことない。
 
 
握りしめた右手を、遼平は強く握り返してくれた。
 
 
「よかった。
 
菜々ちゃんが無事で…
 
俺が間に合って…」
 
 
あぁ、
 
 
私……
 
 
この人のこと、好きかもしれない…。
 
 
 
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