私達は机の落書きから始まった。
 
 
好きかもしれないって思ったら、ますます意識してしまう。
 
 
当たり前に横にくっついて座る遼平。
 
 
右側に全ての神経が通ってるみたいに、全身で意識してる。
 
 
「今日さ、担任が…」
 
 
いつもの他愛ない話が、ますます耳に入ってこない。
 
 
「おい!聞いてた?」
 
 
「え?」
 
 
もちろん、聞いてなかった。
 
 
いや、聞いてなかったわけじゃなく、耳に入ってこなかった。
 
 
「…もちろん、聞いてたよ」
 
 
担任が…なんだっけ…
 
 
でも、素直に聞いてませんでした。なんて言えるわけない。
 
 
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