私達は机の落書きから始まった。
でもね、遼平に嘘なんてついたら…
「菜々ちゃん…
俺に嘘つくなっつったろ?」
ほらね。
すぐにバレた。
いや、見え見えの嘘だってわかってたけど…
「嘘つく奴は…
こうしてやる!!」
そう言って、軽く唇が重なる。
ほんの一瞬。
ただそれだけなのに、顔が真っ赤に染まったのがわかる。
自分でもわかるくらいだから、相当赤いだろう…
「なッ……
菜々ちゃん、顔が赤いよ!
風邪でも引いた?」
今までキスされても平気だったのに、こんなに赤くなれば、そう思いますよね?
おでこに、遼平の冷たい手が当たる。
熱を計ってくれてるんだろう。
熱い顔が、遼平の手で少し気持ち良く感じる。