私達は机の落書きから始まった。
 
 
でもね、遼平に嘘なんてついたら…
 
 
「菜々ちゃん…
俺に嘘つくなっつったろ?」
 
 
ほらね。
すぐにバレた。
 
 
いや、見え見えの嘘だってわかってたけど…
 
 
「嘘つく奴は…
 
こうしてやる!!」
 
 
そう言って、軽く唇が重なる。
 
 
ほんの一瞬。
 
 
ただそれだけなのに、顔が真っ赤に染まったのがわかる。
 
 
自分でもわかるくらいだから、相当赤いだろう…
 
 
「なッ……
菜々ちゃん、顔が赤いよ!
風邪でも引いた?」
 
 
今までキスされても平気だったのに、こんなに赤くなれば、そう思いますよね?
 
 
おでこに、遼平の冷たい手が当たる。
 
 
熱を計ってくれてるんだろう。
 
 
熱い顔が、遼平の手で少し気持ち良く感じる。
 
 
< 95 / 400 >

この作品をシェア

pagetop