私の初恋は屋上で


『だ‥‥‥れ‥‥‥?』
『え、の、乃愛ちゃん?』


知らない人がいる。




『乃愛、大丈夫か?』
お兄ちゃんが不安そうに見つめる。


私が起き上がろうとすると、
女の人が手をかそうとする。



『や‥‥‥っ』
パッと手を振り払う。

『え‥‥‥っ?』
傷ついた顔をする女の人を見て私は



『誰‥‥‥ですか‥‥‥?』

と言うといきなり病室のドアが開いた。


『乃愛!!よかった、起きたんだな!!』


『お父さん‥‥‥!』
私は伸ばされたお父さんの手に抱きついた。



『なんで‥‥‥私だけ‥‥‥』



そんな声が病室に響いた。
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