私の初恋は屋上で
『乃愛様のお父様とお母様は、乃愛様を産まれた後、仕事が凄く大変になられました。そして、乃愛様と過ごす時間もすくなくなり、乃愛様はいつも一人だったんです。』
あ、思い出した。
そう。
私はいつもひとりだった。
大きい部屋に私一人。
お人形でいつも遊んでいた。
言葉や顔には出さなかったけど―。
私は寂しかった。
『乃愛様?大丈夫ですか?』
『え、あ、うん。‥‥ねぇ、記憶を失ったのも嘘なの?』
『あ、はい。すみません。』
『いや、大丈夫だけど‥‥‥。あ、話続けていいよ?』
『はい。』
そっか。私思い出したくなかったんだ。
嫌な記憶だから。
でもじゃあ―。
純也のことは?
なんで、思い出せないの―?