私の初恋は屋上で



でも、私はこの人達の娘なんだから。



ちゃんと接しなきゃだよね。



『‥‥お久しぶりです。お父様、お母様。お元気そうでなりよりです。』


はぁ‥‥この喋り方楽じゃないなぁ。



『乃愛。』
お母様が私をそっと、抱きしめた。


『ごめんね、辛かったわよね。ごめんなさい。乃愛。』



お母様は今にも泣きそうな声で私に謝った。


何度も、何度も―。





でも、お母様は悪くないよ。



『平気です。どうってことないですよ。それに、お母様のせいじゃありません。責めないでください。お母様は悪くないです。だから、泣かないで―。』


『乃愛‥‥。』



ニコッ と笑って見せる。


お母様、元気出して。


大丈夫だから―。



『ありがとう、乃愛。ありがとう。』



お母様は口を緩め、優しい笑を浮かべた。



お父様もそれを見て、嬉しそうだった。



あぁ。やっぱり私はこの人達の娘なんだな。



私は改めてそう思った。




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