私の初恋は屋上で


―昨日



『あ、どうも、修司さん。ご無沙汰しています。』


純也がぺこりと頭を下げる。


『おぉ。久しぶりだな純也。』


『ちょっとお話よろしいですか?』

修司は疑問の表情を浮かべていたが、やがて首を縦に振った。




『えっと、お話というのはですね。』



ピラ と修司の目の前に紙を掲げた。


『これは‥‥‥!!』
『はい。』


純也は笑みを浮かべる。
そして、幸せそうに―。


『俺と乃愛は、正式に婚約する事になりました。』


修司は驚いた。
それもそのはず。


修司は婚約、つまり純也と乃愛が次の国王、女王になる事は一切知らなかったのだ。


修司の頬に汗が伝う。


『それで、相談なんですが‥‥。俺と乃愛の結婚式のことを色々と手伝ってもらいたくて。』


『え、あ‥‥‥。』



『無理にとは言いません。でも、妹の結婚式なんで、是非よろしくお願いします。乃愛、喜ぶと思いますし。』



修司は迷った。


このままでは、本当に結婚してしまう。





でも、乃愛が選んだ奴だから邪魔はできない。





だけど、俺はまだ諦めていない。


















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