優しい部屋
ちょっと前に。
「彼女からのメールでも待ってるの?」
内心カナリびくびくしながら聞いた。
コータは一瞬動きを止めて、それからすぐに笑って言った。
「げー。お前ソレ聞く~?
彼女なんかいねーもん。
おかしーよなぁ~。
俺に彼女いねーなんて」
あからさまな泣きまねをするコータに
「何言ってんの?
全然おかしくないし。
当たり前じゃん」
そう言って笑った。
ケド。
本当に嬉しかった。
たぶんカラダが床から5センチくらいは浮いてたと思う。
そんなコータに、もう一度聞いた。
「ね。さっきからどんなメール待ってんのよ?」
……今度は、ふざけた顔じゃなく。
さっきから見せる切ない顔で。
「彼女じゃないんだけど」
コータはしばらく言葉を止める。
「俺の……大切な人からのメール。かな」
確かにコータの声はそぉ聞こえた……