優しい部屋
最初は一週間に一度くらいハナさんのページを覗きにいくだけだったのに、気付けば毎日の楽しみになってた。
空虚な焦りだけが空回りする日々の中で、輝くものを見つけられるような気になれた。
たぶんハナさんは俺より五つは年上で、考え方も俺より遥かに大人に感じられた。
その反面、脆くて幼い面も多くて、時々危なっかしいくらいだった。
気軽に書いたカキコミに、彼女は丁寧に、でもストレートな喜びを伝えてくれりもして。
そのうちブログ上でのやり取りは、メシを食ったり風呂に入る以上に、俺の生活の一部……というか、むしろ中心……になってて、俺たちは少しずつお互いの事を理解していったんだ。