LittlE bY LittlE
二人、
俺の同居人は少し変だ。
「ただいまー」
玄関で声がして、俺はリビングから少し顔を出す。
「おかえ………何それ?」
俺は思わず眉間に皺を寄せた。
「落ちてたから。」
「落ちてたって……生きてんの?」
「いや。たぶん即死だね。」
そう言ったコイツの腕に抱かれていたのは、血に濡れた猫だったもの。
「車に轢かれたんだと思う。」
「お前、それ持ってきてどうすんの?」
「ん?埋めてあげようと思って。」
「どこに?」
「向かいの公園。だから瑞季(ミズキ)も一緒に行こう。」
俺は呆れて溜息をついた。
「普通持って帰ってくるか?埋めて帰ってくりゃ良かったのに。」
「だってさ、きっと死ぬ時は独りだったんだよ。せめて最期はみんなで送ってあげようよ。」
「みんなでって…俺とお前の二人じゃん。」
「一人でも多い方がいいだろう?」
ほら、早く。と俺を急かす。
俺は仕方なく上着を羽織って、靴を履いた。