スイートホーム
今回もまた、そんなお約束なパターンで、小太刀さんのことを泣く泣く諦める羽目になるのだろうか。


……いや。


いくらなんでも、それは情けなさ過ぎる。


たとえ受け止めてもらえなくても。


盛大に玉砕する羽目になったとしても、小太刀さんにだけは、この胸の内を余すところ無く披露し、晴れやかな気持ちのまま、悔いのない恋の終焉を迎えたいと思う。


だから彼に想いを伝えるのは、今、私の中で決定事項となった。


生まれて初めての、自分主体の愛の告白。


しかし、そう決意したは良いけれど、今度はまた新たな問題が浮かび上がって来る。


それをいつ、実行するべきなのか?


一つ屋根の下に住んでいるのだから、小太刀さんと顔を合わせる機会はちょこちょこあるけれど、だからといって都合良く二人きりになれるという訳ではない。


大抵は周りに誰かしらが居たりする。


そしてもし運良くそういうチャンスに恵まれたとしても、いつ誰が来るか分からないというロシアンルーレット状態で告白するのはちょっと勘弁願いたい。


聞いてしまった方もすこぶる気まずいだろうし。


だから何らかの方法で、絶対に小太刀さんと二人きりになれるような環境を作り出す必要があるのだ。


……告白以前に、その事前準備ですでに疲労困憊してしまいそうな予感。
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