スイートホーム
4年の付き合いの中で、優さんはデートの送迎の為に何度か私の家を訪れていた。
その際に家族と挨拶を交わしているので、お互いに存在は把握している。
また、数回だけ上がってもらってお茶をご馳走した事もあった。
その都度お母さんは「あんたにしては良い人捕まえたじゃない」なんて上機嫌に祝福してくれてたんだけどな…。
『天下の五葉商事の経理部勤務』というのが高ポイントだったようだ。
花形部署は営業部だけど、その代わりとんでもなく激務だし、早出残業、休日出勤などはめったになくて、プライベートの予定も立てやすく、暮らしていくのに充分なお給料がもらえて、数字のエキスパートだけが配属される経理部勤務というのは、母親から見たら申し分ない婿候補だったのだろう。
両親に対してはっきりと「結婚を前提にお付き合いさせて下さい」と許しを請うた訳ではないけれど、当然そのつもりだろうと認識していたらしい。
結果的に、志希の言葉を借りるなら28歳という『微妙な年齢』で捨てられる羽目になったんだけどね。
ちなみに、優さんの実家は長野で、私があちらにお邪魔した事はまだない。
本当に、すべてはこれからだったのだ。
もしかしたら梨華は今が絶好のタイミングだと見計らい、行動を起こしたのかもしれない。
その際に家族と挨拶を交わしているので、お互いに存在は把握している。
また、数回だけ上がってもらってお茶をご馳走した事もあった。
その都度お母さんは「あんたにしては良い人捕まえたじゃない」なんて上機嫌に祝福してくれてたんだけどな…。
『天下の五葉商事の経理部勤務』というのが高ポイントだったようだ。
花形部署は営業部だけど、その代わりとんでもなく激務だし、早出残業、休日出勤などはめったになくて、プライベートの予定も立てやすく、暮らしていくのに充分なお給料がもらえて、数字のエキスパートだけが配属される経理部勤務というのは、母親から見たら申し分ない婿候補だったのだろう。
両親に対してはっきりと「結婚を前提にお付き合いさせて下さい」と許しを請うた訳ではないけれど、当然そのつもりだろうと認識していたらしい。
結果的に、志希の言葉を借りるなら28歳という『微妙な年齢』で捨てられる羽目になったんだけどね。
ちなみに、優さんの実家は長野で、私があちらにお邪魔した事はまだない。
本当に、すべてはこれからだったのだ。
もしかしたら梨華は今が絶好のタイミングだと見計らい、行動を起こしたのかもしれない。