スイートホーム
『ホントだよー!しかも柳田さん自らが、わざわざ守家さんの職場を訪ねてその事を暴露したってのも驚き!裏切っておいて、良く会いに行けたよね』


「でも、私はちゃんと分かってましたから。皆さんが理不尽な嫌がらせなんかする筈ないって」


やっぱり、彼の勝手な被害妄想だったのだ。


「ただ、柳田さんをなだめる為に、『それが事実だとして…』って一旦は肯定するような言い回しはしちゃいましたけど」


『うん。あんな状態の彼と対峙しなくちゃいけなかったんだもん。それは仕方ないよ。下手に刺激したら何されるか分からないからね』


「でも、もう大丈夫だと思いますよ。最終的には彼も吹っ切れたようだから」


『え。そうなの?』


「はい。憑き物が落ちたような表情で帰って行きましたから」


正確には、そんなものは些細な出来事だと思えるような修羅場を引き起こし、逃げるように去って行ったんだけどね…。


『何だ。いつの間にか解決してたんだー』


いくら自分達に非が無いとはいえ、逆恨みされてるのはさすがに気がかりだったのか、畑山さんは心底安堵したように言葉を発した。


『でもすごいね、守家さん。あれだけひねくれてやさぐれていた人を、一体どうやって立ち直らせたわけ?』


「それは…」


うまい言い訳がとっさには思い浮かばず、しばし間を開けてから返答した。


「プライベートな内容ですので、一応秘密って事で」
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