スイートホーム
10
28年間、平々凡々だった私の人生は、ここ数ヶ月でかなり劇的な変化を見せた。
初めてお付き合いした恋人との破局、親友との別離、そんな彼らとの、その後繰り広げられた心すり減らすバトル。
また、転職や引っ越し、お互いに相容れないと思い込んでいた弟志希との関係の好転、そして、何より私にとって一番印象深く胸に刻まれる事となった…。
生涯でここまで好きになれるのはきっとこの人だけと、絶対の自信を持って言いきれるほど心奪われてしまった、小太刀龍之介さんとの出会い。
短い期間にトラブルやハプニングやサプライズがこれでもかとばかりに押し寄せて来て、ホント、目まぐるしい日々であった。
そんな自分の近況をしみじみと振り返っていた私に、畑山さんから再び電話がかかって来たのだった。
『柳田さん、無事に仕事に復帰したよ』
「あ、ホントですか?」
夕食後、部屋でくつろいでいる時の着信だったので、今回はすぐに出る事ができた。
『うん。丸坊主とまではいかないけど、髪の毛をだいぶさっぱりさせちゃってた』
「えっ。そうなんですか…」
『野球部の子の髪の毛が若干伸びて来た、くらいで想像してもらえれば丁度良いかな』
「俺、頭の形が悪いからあんまり短くすると似合わないんだよな」と言いつつ、ビジネスマンとして許される範囲内で常に頭髪を長めにキープしていたのに、随分思いきった事をしたんだな。
初めてお付き合いした恋人との破局、親友との別離、そんな彼らとの、その後繰り広げられた心すり減らすバトル。
また、転職や引っ越し、お互いに相容れないと思い込んでいた弟志希との関係の好転、そして、何より私にとって一番印象深く胸に刻まれる事となった…。
生涯でここまで好きになれるのはきっとこの人だけと、絶対の自信を持って言いきれるほど心奪われてしまった、小太刀龍之介さんとの出会い。
短い期間にトラブルやハプニングやサプライズがこれでもかとばかりに押し寄せて来て、ホント、目まぐるしい日々であった。
そんな自分の近況をしみじみと振り返っていた私に、畑山さんから再び電話がかかって来たのだった。
『柳田さん、無事に仕事に復帰したよ』
「あ、ホントですか?」
夕食後、部屋でくつろいでいる時の着信だったので、今回はすぐに出る事ができた。
『うん。丸坊主とまではいかないけど、髪の毛をだいぶさっぱりさせちゃってた』
「えっ。そうなんですか…」
『野球部の子の髪の毛が若干伸びて来た、くらいで想像してもらえれば丁度良いかな』
「俺、頭の形が悪いからあんまり短くすると似合わないんだよな」と言いつつ、ビジネスマンとして許される範囲内で常に頭髪を長めにキープしていたのに、随分思いきった事をしたんだな。