スイートホーム
「お気になさらず。無事お会いできて良かったです」
「本当にありがとうございました。それでは失礼いたします」
警備員さんが冷静な口調でそう返した所で、お母さんはペコペコと頭を下げながら、ルナちゃんの手を引き、来た通路を戻って行った。
やれやれ、と思いながら何気に顔を動かした時、ちょうど警備員さんのネームプレートが視界に入る。
『コスモ警備保障』の…
こだちりゅうのすけさん、ていうのか。
「…何か?」
自分の胸元をぼんやり眺めながら立ち尽くす私がすこぶる怪しげに見えたのか、小太刀さんがすぐさま問いかけて来た。
「あ、い、いえ」
「ご協力ありがとうございました。それでは」
慌てて視線を小太刀さんの顔に向けたけれど、彼はサッと素早く頭を下げ、私に背を向けると、キビキビとした足取りで去って行ってしまった。
…あくまでも大人に対しては、ビジネスライクな姿勢を崩さないんだな。
ま、プロとして、当然の事なんだろうけどさ。
だけどやっぱり、ちょっとこわいよね…。
なんて、その場で一人、考え込んでしまったけれど、すぐに我に返った。
いい加減帰らなければ…。
私は今度こそ扉の取っ手を掴むと、力強く押し開け、一歩足を踏み出したのだった。
「本当にありがとうございました。それでは失礼いたします」
警備員さんが冷静な口調でそう返した所で、お母さんはペコペコと頭を下げながら、ルナちゃんの手を引き、来た通路を戻って行った。
やれやれ、と思いながら何気に顔を動かした時、ちょうど警備員さんのネームプレートが視界に入る。
『コスモ警備保障』の…
こだちりゅうのすけさん、ていうのか。
「…何か?」
自分の胸元をぼんやり眺めながら立ち尽くす私がすこぶる怪しげに見えたのか、小太刀さんがすぐさま問いかけて来た。
「あ、い、いえ」
「ご協力ありがとうございました。それでは」
慌てて視線を小太刀さんの顔に向けたけれど、彼はサッと素早く頭を下げ、私に背を向けると、キビキビとした足取りで去って行ってしまった。
…あくまでも大人に対しては、ビジネスライクな姿勢を崩さないんだな。
ま、プロとして、当然の事なんだろうけどさ。
だけどやっぱり、ちょっとこわいよね…。
なんて、その場で一人、考え込んでしまったけれど、すぐに我に返った。
いい加減帰らなければ…。
私は今度こそ扉の取っ手を掴むと、力強く押し開け、一歩足を踏み出したのだった。