恋する美容師
真っ黒で綺麗な髪が胸の下まであって、
目が大きくて、鼻が高くて、体が細くて。
外国の人形の様なその人は、
目を真っ赤にして申し訳なさそうに俺の顔を見つめた。
「あの……突然無理言ってすいませんでした………」
ペコリと頭を下げて再び俺を見つめた瞬間、
俺の心臓が激しく音を立てて、それで俺は我に返った。
「ぃ…いえっ!……大丈夫ですよ!
お荷物お預かりしますね!!」
俺は慌てて荷物を預かって、彼女をカッティングルームへと案内した。