恋する美容師
そして3時間後、
仕上がった彼女はまるで別人だった。
胸下まであった髪の毛は、肩につかないくらいのショートヘアに。
真っ黒だった髪はハニーブラウン色になっていた。
それは彼女の要望通りで、彼女も満足がいったそうだ。
整った顔立ちの彼女にはよく似合っている。
むしろもっと可愛くなった。
でも、長い髪を切る理由は一言も話さなかったし、
俺も多少は想像がついたので聞かなかった。
「本当にありがとうございました!
これでスッキリしました!絶対にまた来ますね♪」
彼女は来た時とは別人の様な容姿と笑顔で、俺に手を振りながら店を出ていった。
本当にまた来て欲しい。
ここが店じゃなかったら連絡先を聞いてたところだ。
いや、店で出会っていた方が良かったのかもしれない。
だって彼女はまだ18歳だぞ!?
しっかりしろ、俺。
俺はまた、カウンターの前で1人動けなくなっていた。