憎悪と、懺悔と、恋慕。
露呈。
----------それから、ワタシのバイトのない日、木崎センパイのカテキョが来ない日は、木崎センパイに勉強を教わる日々を過ごした。
木崎センパイが作ったテキストは、恐ろしく分かり易くて、たまにそんなに難しくない漢字にふりがなをふられていたりした。 読めるっちゅーねん。 ワタシ、よっぽどアホだと思われてるらしい。
そんなこんなで、今回のテストは初めて学年50番以内に入った。
木崎センパイ、どんだけ教え方上手いのよ。
木崎センパイのテキストをコピーして沙希にもあげた為、沙希も100番以内に入った。
木崎センパイに直々に勉強を教わっていたんだから、ワタシの方が順位が良くて当然なんだけど、やっぱり沙希に勝った事は若干嬉しい。 だって、いっつもちょっとだけ沙希の方が順位が上だった。
ワタシ的には大満足だったのに、順位を木崎センパイに報告すると『あんだけ教えて何で2ケタ切らないんだよ』と、溜息さえ吐かなかったが、背中で哀愁らしき何かを見せられた。 木崎センパイ、ワタシに10番以内に入れって無茶苦茶すぎ。