憎悪と、懺悔と、恋慕。
目まぐるしく働いて、閉店時間になった。
閉店作業をしようと、ショーケースにわずかに残っていたケーキを下げようと取り出していると、
「後片付けはワタシ1人で出来るから、ケーキ持ってさっさとあがれ。 メリクリじゃ、色ボケバカ莉子」
沙希が近付いて来て、ワタシの分のケーキが入った箱をワタシに押し付けると、帰るように促した。
ほんっと、沙希はイイヤツだ。
「沙希、まじでアリガトウね。 今度何かおいしいモン奢る。 メリクリすぎるぜ、沙希さま」
沙希のお言葉に甘え、ケーキを受け取ると、ロッカーへ向かった。
急いで店着から学校の制服に着替えると、携帯を手に取り木崎センパイにLINEメッセージを送る。
〔これから向かいます〕
携帯を制服のスカートのポケットに突っ込み、ケーキを崩さぬ様に大事に抱きかかえ、沙希やお店の人たちに挨拶をしてお店を後にした。