憎悪と、懺悔と、恋慕。
駅まで早足で歩いていると、ポケットの中で携帯が震えた。
ケーキの箱を落とさぬ様に小脇に抱え、ポケットに手を突っ込み携帯を探る。
取り出した携帯の画面には『木崎センパイ』の文字が表示されていた。
通話ボタンをタップし、耳に当てる。
「木ざ・・・『待ってろって。 迎えに行くって言っただろうが』
電話の奥から木崎センパイの声と共に、バタバタ走る足音が聞こえた。
そう言われてもねぇ。 もうすぐ駅に着いてしまう。
「でも、もう駅に着くので電車乗りますよ。 迎えとか大丈夫ですって」
『オマエはオレの言う事素直に聞かないから、テストもあんな順位なるんだよ』
ワタシのやんわりととした、遠慮という名のお断りに、何故か暴言を返す木崎センパイ。
お母さんの手前、ワタシを迎えに来るだけのくせに何という言い分なんだ、木崎センパイ。 しかもあんな順位て。 50番以内って相当成績良いやんけ!!
「電車乗るんで切りまーす『オイ!!』
----------プツ。
イラっとしたから、切ってやったぜ。