憎悪と、懺悔と、恋慕。
ふと、木崎センパイのお母さんが前に言っていた『凄く良く効く合格祈願のお守りがある神社』の事を思い出した。
記憶を頼りに携帯を弄り、ネットで調べる。
「・・・あった。 ここだ」
結構簡単に、木崎センパイのお母さんが見せてくれた神社の写真と同じものを発見。
・・・行こう。
木崎センパイにお守りを買って、ついで自分の幸せも祈ってこよう。
今年は良い事がなかったわけではないが、若干悪い事が多かった気がする。
神社の詳しい情報を見ると、ご利益の所に『学業・縁結び』と書かれていた。
・・・縁結び。
いくら神様でも、『木崎センパイとの縁を結んで下さい』というのは無理なお願いだろうなぁ。
あ、沙希、一緒に行ってくれるかな??
アイツ、めっさ彼氏欲しがってるし。
早速沙希に電話を掛けて事情を話し、神社に一緒に行こうと誘う。
『ヤダよ。 行かないよ。 ワタシ、地元の神社信じてるし。 正月早々そんな遠いトコまで行きたくないっつーの。 正月っつーのは、餅食いながら正月番組見てダラダラするモンなの』
バッサリ断られた。
「イヤ、でも、縁結びのご利益があるんだよ!??」
お正月を1人で過ごすのは何だか淋しいので、何とか説得を試みる。
『ワタシの分の縁結びのお守りも買ってきてね。 地元の神社で莉子のお守りも買っといてやるから』
が、沙希の心は動かせなかった。