憎悪と、懺悔と、恋慕。
『ワタシも行きます!! 場所、教えて下さい!!』
携帯から、島田さんが鼻を啜る音が聞こえた。
島田さんが泣いてしまうほどに心配をしている。
「あんな暗い所に女のコを連れてけない。 早川さんから何か連絡くるかもしれないし、島田さんは家にいて。 何か分かったら、必ず連絡するから」
島田さんの返事を待たずに、一方的に電話を切った。
悠長に島田さんと『どうしよう、どうしよう』なんて言っている場合じゃない。
こんな真冬に、あんな極寒の田舎で助けも呼べない状態だったとしたら・・・。
心配で気が気じゃない。
・・・もし、助けを呼ぶつもりもないんだとしたら・・・??
オレ、親の事で随分早川さんを追い詰めたし・・・気持ちが疲れていたんだとしたら??
心配事がある時の人間の思考というのは、どうしてこうも悪い方へ悪い方へと進んで行ってしまうのだろう。
ごめんね、早川さん。
絶対に見つけるから、一緒に帰ろう。