憎悪と、懺悔と、恋慕。
早川さんがくれたネックウォーマーを首に通し、寒い思いをしているであろう早川さんの為に、ポケットに入るだけカイロを突っ込んだ。
玄関を飛び出し、エレベーターのボタンを押すも、こういう時に限って4つあるエレベーターの全部が下の階にいたりする。
「~~~あー!! もー!!」
エレベーターなんか待っていられない。
階段を駆け下りる。 階段で行くよりエレベーターを待った方が、結果的には時間のロスが少ない事は頭では分かっているのに、じっとしていれない。
早川さん。 早川さん。
足より気持ちが先走って、何度か転げ落ちそうになった。
その度に手すりに捕まり、何とか持ちこたえる。
何やってんだ。 落ち着け、オレ。