憎悪と、懺悔と、恋慕。
そもそも、木崎センパイのお父さんは何で・・・。
どうしても理由が知りたくて、お父さんに頭を下げ玄関を出て行った木崎センパイのお父さんを追いかけた。
急いでローファーに足を通し、上手く履けずに踵を踏み潰した状態で玄関のドアを開ける。
「待って下さい!!」
家の近くに停めていた車に乗り込もうとしていた木崎センパイのお父さんを、大声で呼ぶ。
木崎センパイのお父さんが、車のドアから手を離しワタシの方を見た。
ローファーを履き直す事なく、木崎センパイのお父さんに駆け寄る。
「木崎センパイのお父さんは、何でウチのお母さんと?? ・・・アナタの奥様とウチのお母さんの名前が同じだったからですか??」
あんなに素敵な奥さんがいて、優秀な息子がいて、何でウチのお母さんと・・・。