憎悪と、懺悔と、恋慕。
 


 ---------ケーキをウチの分と早川さん家の分を買って帰宅。

 時刻は15時ちょい過ぎ。

 ・・・早川さん、今何してるかな??

 今日の晩ゴハン、早川さんが作ったりするのかな。

 ウチの晩ゴハンは、煮込みハンバーグにする予定。

 ・・・早川さん家の分も作って持って行ってあげようかな。

 うん、そうしよう。 確か、肉いっぱい買ってあったし。

 ちょっと早いけど、今から作って持って行こう。

 キッチンでせっせと挽肉をこねていると、

 「今日は随分早い時間に作るのねー」

 オカンが傍に寄って来た。

 「・・・ちょっと用事があるから」

 あんまり詮索されたくなくて、肉の脂まみれで使えない手の代わりに、『リビングに戻れ』と足でオカンの車椅子の向きを変えてやった。

 が、手元のレバーで簡単にオレの方に向き直すオカン。

 「なんか、ハンバーグの量多くない?? ケーキも必要以上に買ってきてるし。 誰かに持ってくのかしらねー。 誰かしらー」

 完全に気付いてるくせに、ワザとニヤニヤしながらオレを覗き込むオカン。

 「さて。 誰だろうね??」

 うっとしいのでサラっと流す。
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