憎悪と、懺悔と、恋慕。

 「えー。 誰誰?? もしかして苗字に『は』が付く人?? 名前に『り』が付いてたりしない?? ・・・フッ」

 オカンが、言いながら堪えきれずに吹き出した。

 オカン、超うぜー。

 そんなオカンをかわしながら、なんとか料理終了。

 大きめのタッパーにハンバーグを詰めて、それをトートに入れた。

 隣でオカンが『どこにピクニックに行くのかしらー』と未だに絡んでくる。

 『菜の花畑でデッサン』とテキトーな返事をすると『驚愕するほどにつまんない』っとオカンが本気の白い目をして、オレから離れて行った。

 フツー、息子にそんな目向けるかねぇ。

 まぁ、イイや。 オカンのからかい地獄から開放されたこの隙に家を出よう。

 ハンバーグとケーキを持って、早川さん家に向かう。
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