憎悪と、懺悔と、恋慕。
 


 --------早川さん家の前に到着。

 早川さんを呼び出すべく、ポケットに手を突っ込んで携帯を取り出そうとした時、

 「すいませーん!! りんご拾って貰えませんかー!?? アップルー!! アポー!!」

 聞き覚えのある女の大声がした。

 その方向に目を向けると、少し遠くで古臭い少女漫画のワンシーンの様に、転がるりんごを追いかける女の姿があった。

 目を凝らして見てみると・・・やっぱり早川さんじゃん。

 取り合えず、転がってきたりんごを拾い上げる。

 そこに両手にスーパーのビニール袋をぶら下げた早川さんが、息を切らせてやって来た。

 「すみませーん!! って、木崎センパイじゃないですか。 こんなとこで何してるんですか??」

 早川さんがきょとんとした目でオレを見た。
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