憎悪と、懺悔と、恋慕。
 

 緊張で顔が強張っている早川さんをソファーに誘導して、オレもその隣に座った。

 太股の上で硬く握り合っている早川さんの両手を、『大丈夫、大丈夫』と自分の手で覆う。

 「~~~~~なーんか、ラブラブじゃない?? お2人さん」

 そんなオレたちの様子を、オカンがニヤニヤしながら見ていた。

 ・・・どう、切り出そうか。

 「・・・あの『早川さん』

 喋り出そうとした早川さんを『オレに任せて』と止めた。

 こんなに話辛い事を好きな人にさせる程、オレはダサイ男じゃない。
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