憎悪と、懺悔と、恋慕。
 
 「てゆーか、莉子は何にも悪くないじゃん。 莉子のせいじゃないし。 なんかムカつくわー。 莉子の対する木崎センパイの態度」

 沙希には、木崎センパイの家に行った事等は話したけれど、木崎センパイのお母さんの足の事、木崎センパイが責任を感じている事は話さなかった。

 軽々しく話すべきじゃないと思ったから。

 その事を知らない沙希は、ワタシの為に腹を立ててくれている。

 なんてイイヤツなんだ、沙希。

 「愛してるぞ、沙希。 褒美にチュウしてやる」

 沙希に抱きつき、顔を近づけると、

 「いらねーわ。 やめろや。 退け!!」

 両手で顔を押し退けられ、全力で拒まれた。

 首が、どうにかなるかと思った。
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