臆病者のシーソーゲーム(仮)
自分が嫌になる。
思い出さないようにしている癖に、
忘れようとしている癖に、
平気な振りを貫いている癖に、
フッとした時に思い出して落ち込んで後悔して…
臆病者だから何もできない癖に、
自分に自信なんてない癖に、
行動すら起こせない癖に、
心の奥底の隅っこにある欲情が湧きあがろうとする…
「あーもう!」
私は近くに転がしてあったスマホを手に取ると、
連絡先から美希を探す。
「あっもしもし美希!暇?」
だから必死に自分を抑え込む。
何の為に?
勿論臆病者の自分の為に。