臆病者のシーソーゲーム(仮)
「…行ってどうするの?
あの時みたいに、つばちょんが奴を支えるの?
辛い時ばかり頼られて、都合よく使われて、
でも奴はつばちょんに辛い想いをさせるだけじゃん。
つばちょんに何にも返って来ないじゃん。
それでも行くの?」
私の背中で言う小林の言葉は、
間違っていない。きっと当たっている。
私は小林に顔を向けれないまま、
「それでも…私は奴の『大切な友達』だから。
辛い時は…傍に居てあげたい」
ハッキリと言う。
小林はため息を吐くと、腕を掴んだ手をスルッと放した。
きっと呆れた顔をしている。
「堀川から俺のアドと電話番号メールで送ってもらうから、
辛くなったら連絡しなよ?」
「ウザイ、小林…」
「え?今つばちょんについて行くんでも良いんだよ?」
「……だからウザいんだよ小林は…」
「ウザくて結構。
だって…つばちょんが辛くなったら俺が辛いもん」