臆病者のシーソーゲーム(仮)
「つばちゃん、コバ君がクラス違うんで寂しいんじゃない?」
ニタニタしながら言う目の前の女子は1年から3年までずっと同じクラスとなったユズル。
『コバ君』とは1・2年で同じクラスで、3年になりやっと違うクラスとなった小林の事だ。
ユズルは、サバサバしていて接していてとても楽しいのだが、
小林が私に引っ付いて居るのを見ては楽しそうにからかっていた。
「ちょっと、やっとクラス別れて小林の存在忘れようとしているのに…」
私がムッとした顔でユズルに返せば、ユズルはクスクスと笑って『ハイハイ』と思っても居ないような軽い返事をした。
「あー…やっぱり保健室行ってくる」
「辛いなら無理しないで帰った方が良いよ~?」
頭を押さえて席を立つ私。
それをユズルは心配そうに眉を寄せて返事した。
時より偏頭痛がする私。
春になりたての今の時期は季節の変わり目で特にだ。
薬を持ってきていれば飲んで済むのだが、
今日はその薬を忘れてしまった。
その為、保健室で頭痛の薬を貰いに行くことにした。