臆病者のシーソーゲーム(仮)
「あれ?閉まってる…」
目的の保健室。
ドアをスライドさせて開けようとすれば、
鍵が閉まっていてビクとも動かない。
よく見ていなかったが、
ドアの横には『不在』の札が。
どうやら先生が居ない様だ。
職員室に行って先生が居れば良いのだが、
もしかしたら研修やらなんやらで出張なのかもしれない。
私は少しドアの前で考え、
保健室横にある階段を上がる。
職員室は別の校舎の1階に位置する。
でも、職員室に行ってまで貰うのは面倒くさいし、
少ししたら自然と治るかもしれない。
なら教室に戻るのか?と聞かれれば、
このまま授業を受けるのも少し辛い。
私の足は階段を上り続け、
階段が無くなる場所まで足を進める。
一番上の小さなフロアには鉄で作られたドアが一つ。
そのドアを開ければ広がるのは春の青空だ。