臆病者のシーソーゲーム(仮)








「あれ?閉まってる…」




目的の保健室。

ドアをスライドさせて開けようとすれば、

鍵が閉まっていてビクとも動かない。


よく見ていなかったが、
ドアの横には『不在』の札が。


どうやら先生が居ない様だ。



職員室に行って先生が居れば良いのだが、

もしかしたら研修やらなんやらで出張なのかもしれない。



私は少しドアの前で考え、


保健室横にある階段を上がる。


職員室は別の校舎の1階に位置する。

でも、職員室に行ってまで貰うのは面倒くさいし、

少ししたら自然と治るかもしれない。




なら教室に戻るのか?と聞かれれば、

このまま授業を受けるのも少し辛い。






私の足は階段を上り続け、

階段が無くなる場所まで足を進める。


一番上の小さなフロアには鉄で作られたドアが一つ。


そのドアを開ければ広がるのは春の青空だ。




 
< 49 / 91 >

この作品をシェア

pagetop