臆病者のシーソーゲーム(仮)
太陽の光を十分に浴びて暖かい屋上。
時折吹く生暖かい風には、春の香り。
ここは私のサボり場所だ。
いつも授業をさぼってここへ居るほどサボり魔では無いが、
今日みたいに偏頭痛がする日や、
1人になりたい時、
フラッとここへ来ては休憩する。
近くのフェンスへ行き、コンクリートの上に座れば、
そこから見えるのはグラウンドで、
昼休みの今は、
サッカーをする男子がその場所を独占している。
よく見れば、その男子たちはうちのクラスで中心になって騒いでいる人たちだ。
「足りない…」
クラスの中心となってワイワイ盛り上がるクラスメート。
その中心に居るはずの須藤悠。
その人が見当たらないのだ。
そう言えば昼休みが始まる時に、
クラスで『サッカーしようぜ』なんて盛り上がっていた。
その中心にはいつもと変わらず奴も居たような気がしたが……
先生にでも呼ばれたか、女子から告白されているかで居ないのだろう。
モテ男子は大変だな…