臆病者のシーソーゲーム(仮)
「内面を…俺の弱さを見せたところで、
『須藤らしくない』
『お前はそんな事考えるキャラじゃない』って言われた。
皆には…俺の周りにいていつも一緒に笑っている皆には、
俺はそんな事考えない奴だと思われて、受け入れて貰えない。
弱さを見せて相談しようとしても、
『お前今日変だし』って笑われて終わり」
いつも一緒にワイワイ騒いでいて、
教室で彼を囲んではしゃいでいたり、
グラウンドでサッカーをしたり…
一番近くに居るような彼らでさえ、
彼の内面に秘めたモノを知ろうとしない。
外見の彼で満足している。
彼らが居て欲しいと望むキャラクターで居るしかない寂しがり屋の須藤悠。
ああ…息苦しい…
だからだ。
彼がペテン師なのは。
だからだ。
彼の寂しさに皆が気づかないのは。
彼の居る狭い狭い世界は、
とても息苦しい。