臆病者のシーソーゲーム(仮)
「須藤~、お前どこ行ってたんだよ~」
昼休みが終わる5分前。
教室に戻ると、先に屋上から出て行ったはずの悠が皆から質問攻めをされていた。
「図書室で寝てた」
笑いながら返す彼に、
皆は『あ~図書室の西日暖かいもんな』と納得した答えを返す。
「さっきさー、体育館に行って一年と勝負したんだけど…」
「コイツ、バスケ勝負でボロボロにやられてんの!」
「え~ニッシーマジで!?私も見たかった~!」
「ちょっ!バスケ部になんてかなう訳ねーじゃん!
俺、野球部だし!!」
直ぐに悠を輪の中心にしたグループは、
ワイワイと話を楽しんでいる。
6月に入り、梅雨入りした今は外のグラウンド状態も良くないらしく、
体育館で遊ぶことが多いようだ。
そんな梅雨の中でも、今日はカラッと晴れた日なので、
私も悠も屋上に居た。