臆病者のシーソーゲーム(仮)
「あっと…でも……平気なの?」
悠は気づいているだろうか?
私が『女』だって。
何と答えたら良いのか分からず、おずおずと聞けば…
「家、母親帰ってくるの遅いし、
『勉強しろ』って文句言わないから平気だよ」
………そういう問題じゃない。
キョトンとしながら言う悠を見て分かった。
悠は私を『女』と考えていないのだ。
『友人』としか考えていないから誘えるのだ。
一応思春期だからと言うのは私の考えすぎだった。
他の男子なら考えるのが普通かもしれないけど、
私と悠にはそう考えないのが普通なようだ。
それは女として意識されず悲しむ事なのか、
友達として認めてもらって喜ぶところなのか。
私の気持ちは曖昧なものだった。
それなら私も割り切ろう。
「じゃあ、気になるから試にゲームやらせて。
ついでに攻略の仕方とかも教えてね?
もしハマったら夏休み買うかもだから」
私が苦笑いで言えば、
悠は笑いながら、
「夏休み中も家来れば出来るじゃん。
それに…一人で家に居るより誰か居た方が楽しいし」
と、ちょこっと自分の弱音も交えるから、
私は『ゲーム楽しみ~』と、
『思春期なんて気にしてませんよ』と表すようにウキウキと心を弾ませて見せた。