ベランダ~愛する君へ~
あたしは、二十歳になって、
成人式のために帰省した。
成人式のその日、振り袖を着て、
実家に帰ると…
冷たくなった君がいた。
「今朝、亡くなってたんだ」
「今まで可愛がってくれてありがとう」
おじいちゃんの言葉は
途中から聞こえなくなってしまった
いやだ、いやだいやだいやだ。
振り袖も気にせず、走り出した。
君のところへ。
毛布にくるまれた、、、
冷たい身体。
相変わらず、耳の毛並みがいい。